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おったまげファッションズ・ナイト・アウト
己のツラなど鏡で見るのもなんだか照れくさい今日この頃。
髭を剃る時でさえ、自分と目が合わないようにする。
前回、鏡に映る自分と目を合わせたのは何時のことだろう。
そりゃあ、若い頃は毎朝、朝シャン(朝、起床後に髪を洗う事の意)
などして、鏡の前でジッと自分のツラを睨みながらドライヤーを左手に、右手に
花王ケープを握りしめ頭髪に吹きまくったものだ。
今では洗濯後一番上に畳んで置いてある服をとりあえずつかんで着る毎日だが
若い頃はそれなりにオシャレに気を使っていたものだ。

中学2年生の頃、少ないこずかいを貯めて日本橋馬喰町にB-3フライトジャケットを
買いに行った。どこでそんな噂を耳にしたのか忘れたが皮ジャンを買うなら馬喰町
だという情報を得て、嫌がる友達を無理やり誘って行ったのだ。
僕が住む町界隈の中学生でB-3ジャケットを着ているヤツなどいなかったし
アメリカの戦争物の映画に出てくるパイロットが羽織るあのジャケットがどうしても
欲しかったのだ。
神奈川の相模原に住む中学生にとっては日本橋馬喰町など全くの異邦の地。
丸一日、脚が棒になるくらい歩いて見て回りようやく購入したジャケット。
町田でカツアゲに合い、奪われるまでの1ヶ月間、間違いなく僕は「オシャレ」さん
だった。

そんな感じでワリとついこの間までは「オシャレ」に気を使いながら
生きてきたつもりだが最近では気がつけば鼻毛は出てるわ、横腹に贅肉が付き始めている
わ、突飛な服装の若者に説教したくなるわ、で「オシャレ」の世界とはかけ離れた古道具
屋のオジさん的な世界に浸かりきっていた。
しかし、先日ハンドメイド・キャンドルを作る従兄のNからの話で、あるイベントで表参
道のショップのキャンドル・デコレーションをやるのだがぜひ、アンティークのデコレー
ションとコラボして飾りたいとの依頼を受け、
オジさん表参道に行ってきました。

おったまげました。
おそらく「おったまげる」という表現はそもそも僕にとってその日の僕の状態を描写する
為に僕の未発表単語リストに眠っていたかのように、おったまげたのです。

その日は「ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウト」というヴォーグが主催する世界
的なファッションイベントであったようで、表参道は他種雑多な「オシャレ」ピープル達
でごった返っていた。
それぞれの有名店舗ではかなり大がかりなデコレーションやパフォーマンスをしていて
見るからに一般庶民ではない類の人々が闊歩し、高レベルのセレブ感漂う中、路上駐車す
る高級車を横を目に「反原発」のデモ行進が列をなし、大通りは渋滞し、大勢の警官が配
置され、僕は鼻を垂らし東京特有のカオスをそこに感じていた。

そして、ようやくたどり着いた現場、「アングローバル・ショップ」
入口ではシャンパンとスウィーツが配られ、綺麗な売り子さんが素敵な笑顔を振りまい
ている。僕とNはボチボチとファサード・デコレーションに取り掛かった。

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なかなかオジさんにしては格好はついたと思う。
自分達の仕事も終えると、浮浪者のような僕らが店の前にたむろしては営業妨害になる
のでブラブラと表参道の有名店舗のデコレーション見学に出向いた。

先ずにポロショップに行くと、ショーウィンドーはアンティークで構成された部屋に服が
飾られてあり、ワリと親近感の持てる内容でショップ付近にはアメリカントラディショナ
ルな出で立ちの人々が見受けられた。
エルメスではショップ内から窓をフレームに通りに向かってモデル二人がスカーフの
インスタレーションを行っていて、ギャラリーには浅黒くバタ臭い顔をしたスーツの男と
南国風の顔達のエキゾチックな格好の女性だったり。エルメスっぽい人々が集い、
ディオールの店舗の前にはやたらゲイっぽい人々がたむろし、シャネルは堂々とシックに
デコレーションしていた。

その日、表参道の各店舗は年間を通して最も気合いを入れて店舗のプレゼンテーションを
していたワケであり、各有名店舗のレベルの高いアートワークを目の当たりにした僕はな
んだかものすごく普通によい勉強なった気がしたが、
そんな自分がなんだか可笑しかった。
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by interestingman | 2011-11-10 20:25