どうやらこの僕も世に言う「オジさん」の域に
きているようで・・・ 残念なことだが、仕方がない事でありまして、 来月で36歳になる。 「今の若い者は・・・」という言葉は4,5000年前から エジプトの壁画だかパピルスにオヤジのぼやきとして記されていた 言葉だが、恐ろしくも最近、口にはしないが僕の心の中でも このような思いがめぐる局面がある。 こうなってしまっては僕としても「オジさん化」を認めないわけには いかない。 開き直ろう。僕はオジさん。 開き直ったついでにボヤかせてもらおう。 今日、店に来た若者は高そうなピストバイクに跨ってやってきて、 ヘッドフォンを耳にあて、いささか車の交通に邪魔になるであろう 場所に駐車して、重厚なチェーンロックを巻き付けると空ぞらしい 顔して店に入ってきた。 僕は彼が通りの向こうから登場した時から、店の前で座り込み作業を しながらそんな彼の一挙一動を見ていたのだが、 僕の目の前を通り過ぎるまで、彼は一度も僕と目を合わさず、 「こんにちわ」と挨拶してもその返答はいかなるかたちにしろ返って 来なかった。 とりあえず、奥歯を噛むアゴの筋肉を緩めて、彼のピストバイクを 安全な場所に移すと店に入り、彼に近づき言った。 「何かありましたら、声をかけてください。」 もちろん、顔を見合わせないし、返答もない。 おそらく、僕もこの店も彼にとっては、風景みたいなものなのだろう。 彼はそこに居ながらにして、そこに居ない。 ヘッドフォンから流れる音楽が彼のバーチャルライフを支え、 彼の中で何らかの利己的な意識が働かない限り、僕らは 彼にとって現実化はしないのだろう。 って僕だって、店だって現実なんですけど。 当店は無人ショップではないんですけど。 開き直ろう。僕はオジさん。 しかし、こういった問題は若者だけに該当するものではなく、 最近はイイ大人にもこういった人はいる。 こんな時代のせいなのかもしれない。 家から一歩も出なくても生きていける現代。 人との会話なしであらゆる物が手に入れられるこの文明。 コンビニは増え、ショッピングモールが次々にできて、 インターネットのマーケットも増殖していく一方で、 昔ながらの商店や、町が消えてゆく。 そのうち町から人間が消えるのだろうか? 先日、ブルース・ウィリス主演の「サロゲート」を観た。 身代わりロボット「サロゲート」が人間の社会生活のすべてを 代行する近未来。人間は自宅からサロゲートを遠隔操作するだけで 社会生活を営むことが可能となり、圧倒的大多数の人は、 サロゲートで社会生活を営むようになっていた。 社会の中でサロゲートを通して、生きてはいても 遠隔操作をしている本人は実体験をすることはなく、 全てバーチャルの中で、人生を送っている。 最近、旅行に行く若者が減っているとニュースで報道していた。 それも、ネットでの検索で簡単に行ってみたい国の情報が 閲覧できるできる為、情報を得ただけで行った気になるからだそうだ。 「書を捨てよ、町へ出よう」 というのは寺山修司の言葉だが、僕は言いたい。 「モニターを捨てよ、町にでよう」 とか言って、まるでオジさん。
by interestingman
| 2010-11-07 21:24
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