ここ1カ月の間に僕の目の前で一組の男女が永遠の愛を交わし、
おばあさんが一人、永遠の眠りについた。 珍しいことではない。僕ももう35歳だ。 このくらいの歳になれば、1カ月にこのくらいの頻度で 誰かしらが、永遠の何かをする現場に遭遇する。 先のケースは僕が雇う女性従業員と僕の従兄が結婚をし、 後のケースでは妻の祖母である、義祖母が亡くなった。 双方の現場には僕に直接的に関係した親族がいたり、 間接的な親族がいたり、他人がいたり。 祝したり、弔ったり。 僕も大人なので(?)慣れないスーツを着たり、クセ毛を 整髪料で伸ばしたりして、来賓者のあいさつで戦争話をする 老人の言葉に上手に耳を傾けたり、お焼香の後の親族へのお辞儀を 忘れずにやったり、うまくこなしている。 近頃では、自分も関わることだがその儀礼、儀式を 舞台演劇のように興味深く観察し、その構成員のようにうまく演じる。 僕だけじゃないはずだ。喜ばしかったり、悲しかったりする気持ちとは 別に、その場における慣習や作法に従わなければいけない局面になると 妙にしらじらしくなったりするのは・・・ しかし、おもしろいものでそういった参加者皆で作り上げる演出が、式の ムードを高め、その場の空気にふさわしい緊張感をもたらす。 また、式をきっかけに明るみになる事実があったり、 参加者の人間性が発露したり、人間関係の変化が生じたり 様々なドラマが交差しながら式は遂行され、一種のカタルシスを 迎える。 先日、ようやく1週間レンタル可能になった「レイチェルの結婚」を観た。 素晴らしい作品だった。 アン・ハサウェイ扮するキムは姉の結婚式に参加する為、リハビリ施設から退院した 情緒不安定なジャンキーで、実家では家族と姉の友人たちが結婚式の準備で共同生活している。 そこでキムはトラブルメーカーのトリックスターとして共に生活を始めるのだが・・・ ジョナサン・デミは手持ちカメラなどを使用しながら、ドキュメンタリーの手法で結婚式までの 数日間を撮影しているのだが、キャストを監督自身のプライベートな交流関係の人間達を起用し、 ほぼアドリブで演技させることで、独特の親密感とライブ感を持たせ、観る者も気がつくと 参加者のような錯覚に陥らせることに成功している。 そして音楽が申し分がない。出演者も黒人、白人、東洋人と様々なのだが、音楽もかなり グローバルで、祝祭的な演出をしている。 ほんたうに素晴らしい作品だ。 あれや、これやと僕はケに戻り、パスカルズの「パスカルズが行く」をヘビーに聴いている。 これがまたいい。
by interestingman
| 2010-07-21 22:45
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