1954年、ニュージーランドで2人の女子高生が殺人容疑で逮捕された。
事件内容はポーリーン・パーカー(15歳)とジュリエット・ヒューム(16歳)は ポーリンの母親を殺害し、事故死に見せかけるため偽装工作をした。 しかし、不審を抱いた警察が2人を追及したところ犯行を認め、逮捕となり、 無期懲役の判決をいいわたされた。 裁判にて検察側の有力な証拠として参考にされたポリーンの日記には 母親の殺害計画と二人が創作した空想小説が綴られていた。 我が家のテレビはアンテナの接続がされていない為、僕は民間放送やら 衛星放送やら地デジやらとは全く無関係な生活を送っている。 僕はここ9年間まともにテレビを見ていない。 それは2001年のアメリカ同時多発テロが起こってからというもの 世の中の情報をなるべく厳選して聴取したいと思い、意図的に接続 されていないのだ。 しかし、世の中の情報を知ろうと、たまにはインターネットでニュースを 閲覧したりする。 気になる見出しなどをクリックしてチェックするのだが、 最近僕の興味を引いたのは「宝塚、女子生徒放火事件」だ。 悩める二人の女子生徒が互いの家族を殺害しようと計画し、 家に火を放ち、家族3人を死傷に負わせた。 その記事を読みながら僕はピーター・ジャクソンの「乙女の祈り」と いう映画のことを思いだした。 それはニュージーランドで実際に起こった事件を映画化したもので 事件の内容は上記に記したものだ。 ピーター・ジャクソンは「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで一世を風靡した 監督だがもともとはカルト映画界の旗手で、かつては「バッド・テイスト」や「ブレイン・デッド」 などのかなり悪趣味なスプラッターホラー映画を撮っている。 吐き気が催すほどの血みどろな残虐シーン満載なのだが 映画としてはおそろしく完成度が高く、僕は当時、この監督を密かに期待をしていた。 そして1994年、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を獲得したのがこの「乙女の祈り」だった。 ピーター・ジャクソンはすでにこの「乙女の祈り」で「ロード・オブ・ザ・リング」に通じる 映像美を表現している。 二人の少女の不安定かつ非現実的な情緒をソフト・フォーカスな映像で描いていて、 町の中で突如、二人が創作した空想小説の住人が幻覚的に現れ、 彼女たちが踊るシーンなど僕がこれまで観た映画の忘れがたいシーンの一つだ。 二人の少女の共鳴し加速する妄想。 ひと時、僕はこの手の「二人の女の子」モノの映画をよく観ていた。 「ひなぎく」、「ルイーズとケリー」、「ミナ」、「バタフライ・キッス」 「ゴースト・ワールド」・・・・ 自分の母親を殺害したポーリーン・パーカーは現在、アン・ペリーというペンネームで ミステリー小説のベストセラー作家として活躍しているそうだ。
by interestingman
| 2010-07-16 03:23
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