最近、家に帰るとやたらと折り紙の本が目についた。
決まって残骸のように色紙が部屋中を散乱し、手裏剣やらカエルやら亀が偉そうにいた。 「今、ハマってんだな~」などと思いながらかたずけたりする。 今朝はコーヒーを飲みながら、なんとなくその本をペラペラとめくっていた。 「折り紙とハサミちょーだい~」 始まってしまった。 初めに案山子を作ることにした。何色にしようかと悩んだ挙句、灰色を選択した。 テキストを見ながらサクサクと折ってゆき、最後にハサミで切りこみを入れ、首に巻き付いた 手ぬぐいみたいなものつくり、出来上がった。 なかなかうまくできた。そもそも僕は手が器用なんだと改めてうなずく。 それは「千と千尋」のハクが追いかけられていたフダみたいでかわいいったらありゃしなかった。 次は何を折ろうかと本をペラペラめくっていると、見つけてしまった。 カメラだ。 幼いころ僕はこのカメラが大好きで、折り紙と言えばコレばかりを折っていた。 すかっり折り方など忘れていたのでテキストを見ながら折り進めていたが、一折一折 懐かしさが襲う。 「あっそうそう、んでこーやって、こーやって・・・」 「カシャッ」 なんとも言えない音。もう一回、 「カシャッ」 おもしろい。その形は決してカメラに似ているワケではない。どちらかというと 口を結んだエリマキトカゲ。 しかし、両手でカメラを持つみたいに持って親指で背中を押すと、結ばれた口が開き 例の音をだす。 「カッシャッ」 この動作と音がたまらない。 そうゆえば、幼いころこういった仕掛けものが好きだった。 機関銃のような割り箸鉄砲を作ったり、ありえない大きさの竹とんぼを作って、 高い所から落下させたがハネは回るはずもなく、文字通り落下しバラバラなったり。 僕らはそんな遊びから、幼いなりに物理やギミックの美を追求し鼻を垂らしていた。 キネティック・アートというものがある。 これは「動く作品」という定義でロシア・アヴァンギャルド美術家ナウム・ガボが 1920年に「リアリズム宣言」で提唱したアートだが、後にアメリカの作家アレキサンダー ・カルダーが作品としてモビールを発展させ世に広まった。 それ以前にもマルセル・デュシャンなんかも「回転する作品」などでそのアート性の系統を 示していたが、そもそも昔からキネティック・アートは人々の生活の中にあった。 知育玩具としてのモビールの歴史もかなり深いと聞いているし、 公園の遊具や噴水なども同じ系統のものだ。 日本においても、すでに江戸時代には走馬灯があった。 もともとは中国のものかもしれないけど・・・ 幼いころ、お盆で田舎の親戚の家などに行くと玄関や仏壇に走馬灯があったりして ぼんやり流れる模様をみながら、夢心地になっていたものだ。 「カシャッ」 ![]() 口を結んだエリマキトカゲ
by interestingman
| 2010-07-12 17:56
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