ここ数年、雨の日を「雨の日」として愉しむゆとりが自分にはない。
仕事のことを考えると、やはり不都合であったりして。 仕方がないことではあるけど、これまでは雨の日は「雨の日」として そこそこ愉しんでいた。 ボブ・ディランのファーストアルバムを聴きながら、サマーセット・モームの 短編を読んだり、トタンが奏でる雨音を聴きながら、キャラメルコーンをほうばったり、 外に出かけては、取り込まれず悲しく濡れる洗濯物に同情しながら路地を歩いたり・・・ アンニュイでしっとりした感じでヘラヘラできたものだ。 同じように快晴の日を「快晴の日」として愉しむタイミングがつかめず ただただ、快晴の日として過ごしてしまう。 しかし、今日はこの梅雨つかの間の快晴ということで午前中、息子を助手席に乗せ ドライブとしゃれこんだ。 最近ようやく手にいれたロイ・ブックバインダーの「トラヴェリン・マン」をCDプレイヤー に入れ、あのどこまでも優しく、乾いた声とフィンガーピッキングの軽やかな音色に落ち着こうかと 流れる音に僕がうなずいていると息子が左半面の表情を崩した顔で 「なんか、コレじゃない。もっと元気なやつがいい。」 と伝説の名ギターリスト、ロイ・ブックバインダーを「コレ」扱いして言ってきた。 その生意気な表情と「コレ」発言が感に触りひっぱたこうかとも思ったが 確かにこの午前中の快晴のコンディションと3歳児のエネルギーは決してロイとは 同調しないと僕はあっさり認め、あらためてCDボックスに目を落とした。 こうして見るとCDボックスには最近の平坦な日常に無害な音ばかりで、どうしたものか と思っていたが、幸いクラッシュの「ロンドン・コーリング」があった。 僕は1曲飛ばして2曲目の「ブランド・ニュー・キャデラック」をプレイさせた。 先週の金曜の朝、僕は湘南の古物市場へ向かう車中、ラジオでピーター・バラカンの 「バラカン・モーニング」を聴いていた。 いつもながら、ツボをおさえた選曲にうなずいていたのだが、ふと流れた曲が僕の脳裏を 震わせた。 その曲はエレクトロティックでありつつフロウなダブなのだがしっかりとしたロックで なによりもボーカルの野暮ったくスッとんきょんな声に馴染み深さを感じた。 曲が終わるとバラカン氏はあの優しい声でその曲はジョー・ストラマーの「ヤラ・ヤラ」で あると紹介してくれた。 僕はクラッシュ解散後のジョー・ストラマーの音楽活動については全く知らなかったので 久しぶりにドキドキした。「やってたんだー」 そして、僕はアマゾンで調べて1999年発表のジョー・ストラマー&ザ・メスカレロスの 「Xレイ・スタイル」を発注し、思い出したかのように家のCD棚からクラッシュの「ロンドン・ コーリング」を手にしたのだった。 おかげで僕は素敵な「快晴の日」を獲得できた。 午前中のドライブ ノリノリの息子と クラッシュ時代のジョー・ストラマー
by interestingman
| 2010-07-10 22:14
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