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5つ星
久しぶりに僕の映画鑑賞において5つ星を贈呈したい
作品と出会った。

ここ最近の僕はだいたい週に3本くらいのペースで映画を
観るのだが、独身時代は一日に2本、朝と夜に薬を服用するように
観ていた。

実際、他人から「好きな映画作品は?」などと尋ねられると困ったもので、
「僕にとって映画は薬みたいなものだから、病状によって効用の違う薬があるのと
同じように、気分によって僕に効果のある作品は違う。」
などと答えることになる。というかこの時点で病的である。

というわけで僕のVHSの映画コレクションは3000本近くあり、繰り返し同じ作品を
鑑賞する。病人だ。

もちろん、レンタルショップの会員にもなっているので、自分の持ってない映画作品を
レンタルしたり、新作などもアグレッシブにチェックする。
しかし、ささやかなルールとして新作に関しては旧作(一週間レンタル可能)にならないと
レンタルをしないことにしている。

先日、ずっと気になっていた「アンナと過ごした四日間」がようやく旧作になったので
早速レンタルした。

脱帽だった。というか真っ裸になったっていい。

監督、製作、脚本のイェジー・スコリモフスキはポーランドの「幻の巨匠」と異名をとる
作家で本作は17年ぶりの作品となる。

完璧。

何も言えない。

あーあーあー、うーうーうー。
# by interestingman | 2010-08-26 23:39
paint it black
ノッてきた。

ここ数日で店舗改装はいよいよ本流にのりあげた。
新しく始めようとしている店舗はカフェ40%、
古い紙類(書籍、リトグラフ、ポスター)30%、
アンティーク雑貨20%、
ワケわからないけど古くてなんだか魅力的なモノ10%、の店。

ここ数年、カフェをはじめ、色々な店舗開業を手伝わせてもらったが
90%の店舗は決まって壁を白、またはその類似色にしていた。
時代の流れ的には「シンプル・モダン」、「ロハス」など謳われ、
北欧家具や日本の昭和初期あたりの家具、またラウンジ感のある
しっとりとした家具が調度され、それらは白い壁にしっくりハマり、落ち着いた
空間が演出され、無難な色なのだ。

しかしながら、
僕の中のカフェの壁は絶対に黒なのだ。

「ペイント・イット・ブラック」
1966年、ローリング・ストーンズがリリースしアメリカ、イギリス両国のシングル
・チャートで1位を獲得した名曲。

店舗の商材、什器をすっかり片付けると、僕らは赤い壁を黒いペンキで塗りたくりはじめた。
ペンキを塗りながら店舗のイメージを強化、発展させるため様々なCDを流した。
今日はジョーさんがローバート・クラムが関係しているミュゼット系のCDを3枚持って来て、
僕はトム・ウェイツの「フランクス・ワイルド・イヤーズ」、「レイン・ドッグス」、
パスカル・コムラードの「アンプレシオニスム」を持って来て、聴きあった。

僕らが頭に描くのは、ボヘミアンやジプシーが集うような、
アバンギャルドで折衷主義のハイブリッドな空間。

昼下がりには、自宅から持ってきた自家製の梅酒をソーダで割ってクビクビやりながら
踊ったり、奇声を発しながら僕らはひたすら壁を黒く塗っていたのでした。
# by interestingman | 2010-08-17 01:15
ソフビ人形
ここ2,3日、僕は手のひらに載せられるぐらいの
小さなビニール製の人形達の汚れをたんたんと落としていた。
それらは先日の火曜日にあるコレクターから買い取った、
いわゆるソフビ人形達で、その他にもブリキ玩具や古いおもちゃ、
レコードを山ほど買い取った。
僕はそれらを丁寧に、もともとの塗装などに障らぬように仕上げて
いくわけだが、量がハンパない。
ソフビ人形_d0177471_14583715.jpg

こんなだったり
ソフビ人形_d0177471_1502637.jpg

こんなだったり、それでも一部で
いい大人がおもちゃに囲まれて、チビチビとそれらを磨いている光景は
あまり素敵な光景ではない。
しかし、磨いているうちになかなかどうして可愛らしく、物によっては
「うーん」とため息がでるくらい、出来がよかったりする。
この手のコレクター物は相場もインターネットで簡単に調べられるので
見てみると、開いた口がふさがらない。
「ちょっと、そっち持ってくれ」なんて言って、ウンとこどっこいと持ち運ば
なくてはいけない家具を数万そこそこで商売しているのがバカバカしくなると
まではいかないが、ある種の脱力感を感じてしまう。

我らがATPはかなりの多岐にわたるモノを扱っている。
それだけ多種多様な価値観を持った人々が訪れるわけだが、ほんとにそれは
人それぞれだ。ある人にとってはゴミだが、ある人にとっては宝であり、
その逆のケースもまた然り。

だからおもしろい。

必要性も不必要性もなければ、常識も非常識もない。
モノが存在しているには意味がある。またその作り手もいれば、技術もあり、
素材がなければつくれないし、需要がなければ生まれない。

「世の中には、これを必死で手に入れようとしている人もいるんだ。」
とふつふつ考えながら、僕は8センチくらいのピンクのニャロメソフビ人形を
磨くのでした。
# by interestingman | 2010-08-14 18:31
ブラブラ
ハイエースの荷台にはステンレスの板が天板に
貼られた木製作業台、鉄製の本立て、マルニ社のベルサイユチェア
2本、キイヤ社のアンティークトルソー、中国古材使用のコンソール
2件分の配送商品が積載されていた。
先の2点は町田PM1:00、後の4点は横浜の青葉区PM6:00

「fuzzy wuzzy]と名付けた、5,6年前に作ったミックス
cdをプレーヤーに入れ、昼下がりの配送。
天気も良く、風もある。

土曜の道はどこも込み合っていて、浴衣姿の人がパラパラ目に付いた。
1件目の配送先は70年代に建てられたかと思われる団地に住む若い夫婦
全ての戸を外された3DKの空間は開放的で、床は木肌の美しいフローリング
に改装され、奥2部屋に続く壁一面が棚になっていて、本やcd,人形などが
雑多におかれている。キッチンの前に例の作業台を設置するといよいよ
アトリエ系ワークショップのようになった。
生活臭がないわけではないが、住人の自然体なスタイルに好感が持て、
居心地がいい。
アイスコーヒーを頂く。

次に僕は相模大野へ向かった。
先日、水没した携帯電話の電源がなんとか入ったのだ。
ケータイ屋に電話するとデータの復旧ができるかもしれないとのことで
僕はケータイ屋に向かった。
複雑な想いではあったが、データは復旧した。

昼食がまだだったので、都市開発の為に移転した「パスタ・デ・パパ」
に行く。移転してから初めて訪れ、2年ぶりくらいにブロッコリーと
ゴルゴンゾーラのパスタを食べる。・・・やっぱり、うまい。

それからルディーに行き、先日の礼に行く。
ケンくんは非番でミノダくんがいたのだが、
可愛らしい女の子の古着が並ぶ店内で、
夏には避けたい暑苦しいオヤジが二人、
抹茶クリームフラぺチーノとダークモカチップフラぺチーノを
ズルズルやっているのはいけないと感じ僕は退場する。

ルーディーの階段を下りると向かいの歩道にバイクにまたがるHAKUIと
スタッフのメグちゃんがいた。
「何してんですかー」
「ダークモカチップフラぺチーノをすすってんだよ。」
「お店の方は・・・」
「あっ。そうだね」

少し立ち話をして、別れると思いだしたかのように
スタッフのソウちゃんに電話する。
「お疲れ様ですー」
「オツカレ、今オレ、相模大野にいるんだけど・・・今から店戻っても、2時間後には
また、配送にでなきゃいけないわけで・・・」
「はー。」
「えーと、店忙しい?」
「あっ、大丈夫ですよ。」
「じゃあー、ブラブラしてていい?」
「いいっすよ。」
ソウちゃんの許しをもらう。

相模大野から町田に移動しブラブラする。
惣菜屋さんから109のギャルショップまで
店内の装飾や、商品、店員やお客さん。
情報を吸収する。
ビレッジ・バンガードでいましろたかしの新刊を発見し、相当迷った挙句、購入せず。

PM5:00町田を出る。
2件目の配送をすませ、店への帰路。
緑山スタジオを通りすぎ、高台の道すがら
夕焼けがきれいで、きれいで泣きそうになる。
車内では高田渡が鉱夫の歌を歌ってた。
# by interestingman | 2010-08-07 22:17
ロックンロールと携帯電話
常にロックンロールな人間でありたいと思うております。

昨日、あまりに暑かったので川で水浴びをしておりました。

浅瀬を渡って向こう岸に行こうとバックパックに靴と上着を入れ、
それを背負ってジャブジャブと歩いていたわけです。

ですが、なんといってもロックンロールなわけですから、
あまり解放的になってしまうと、何かしらを忘れてしまったりします。
そんな性質がロックンロールの短所であったりするのですが・・・

「空に浮かぶ夏の雲が・・・」
なんて言ってる間にバックパックは水に浸かり。

「吹きつける風が・・・」
なんて歌ってる間にタバコや財布、上着も濡れ。

「アメンボ達・・・」
なんて叫んでる間に携帯電話はその機能を失いつつありました。

ロックンロールでありたいと思っておりますが、
携帯電話を失うといささか困ったことになります。

この1980年からここ30年の間の怒涛のデジタル化の流れ。
あらゆる事物がデジタル化し、人の生活は様変わりしてゆく中で
この携帯電話のもたらした環境の変化は大きいものです。

「ロックンロールと携帯電話」
この命題に多くの人が悩み、苦しみ、諦めっていった。
「たかが、ツール(道具)」と言い訳しながらその道具の奴隷となり、
依存関係を深めてゆくのでした。

相模大野のケータイ屋は申し訳なさそうに言いました。
「最近のオレオレ詐欺などの事件の影響で契約時の身分証明に関しては
かなりシビアになってるんです。」
「分かりました。車にあるバックに入ってますから取ってきます。ここ
何時までですか?・・・そうですか。駐車場まで行って帰って、10分で
戻ります。」

僕は家電製品屋さんやケータイ屋さんなどはどうも苦手なのです。
なるべく、怒らしたり、嫌われたりしたくない。
そつなくこういったことは早く済ませたい。
言われるままに無難な商品を選び、契約していたところ
免許書の提示を要求されたのでした。

相模大野コリドー通りを僕は走りました。

「お客様は法人契約なさっているようなので免許書以外にも
法人様に属されていることを証明する名刺が必要ですね。」
額の汗をぬぐう僕に店員はしっとりと言いました。

「ロックンロールと名刺」
この命題にも多くの人が悩み、苦しみ、諦めていった。
僕も例外ではない。
仕事上必要にかられ作るが、まるでそれが「不幸の手紙」であるかの
ように人々に配布し、無くなると清々している自分がいたりするのです。

「それでは、契約の方は無理ですね。」
「いや、あの困るんです。携帯がないと仕事にならないし・・・」
「残念ですが・・・」

PM6:30
家に帰り、部屋をひっくり返して、名刺を1枚見つけて、戻るには
30分以上はかかる。明日、また来るしかないか。と諦めながら、
歩いていると、古着屋のルーディーの看板が目に入る。
もしや、と思い階段を上り、ルーディー店内へ、ケンくんが目を丸くさせている。

「ケンくん、こんなこと言うのもおかしなもんなんだけど、オレの名刺もっている?」
「あっ、持ってますよ。」

ルーディーという店名とは裏腹になんともしっかりしているのです。
2,3冊の名刺ファイルの中から僕の名刺を取り出し、渡してくれました。
「ちょい、借りるね。」
と行って、ケータイ屋に直行。
無事、契約終了。

しかし、ここ10年そこそこの間に登録された400件ちかい
電話番号が消えた・・・

「残念ですが・・・」
携帯電話を水没させ、データを消滅させるトンマは僕だけでは
ないらしい、このようなケースに対する「残念ですが・・・」
を店員はあらかじめ用意しているようで。

また、人様に迷惑をかけることになる。

しかし、なぜか清々している自分もいたりするのでした。
# by interestingman | 2010-08-04 19:43



覚書き
by interestingman