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知の巨人現る。
えーと、・・・全くとんでもないことが起こるもので。

10日くらい前に市場の仕入れから店に帰るとスタッフの
サブちゃんがテレビの番組制作会社から撮影のロケ地の
オファーがきたとの事で相手側が連絡を欲しがっている
と担当者と電話番号の書かれた紙を渡してきた。

「日本テレビ、鉄腕ダッシュ、○○、080-○○6○ー○4○○」

「トキオの出ている人気番組ですよ。」サブちゃんはそう言うが
テレビを観ない僕には全く分からない。

テレビや雑誌の撮影で当店が絡むことがたまにある。
商品の貸出や、今回のような店舗の撮影貸しなどである。
店の宣伝にはなるが、良いことばかりではない。以外とメンドクサイ
事やお客さんに迷惑をかけてしまうこともある。だから僕は相手側が
どれだけ当店を求めているかで話を受けたりする。

僕は2日間電話せずに3日目でなんとなく電話した。
「ウチに代わるとこが見つかっていればそれでいい。」
という気持ちで・・・
しかし、意外の留守電。「あっそうですか。」とメッセージも残さず
受話器を置いた。
2日後、電話が鳴る。

「もしもし。」
「あのー、先日、鉄腕ダッシュ撮影の件で電話させて頂いた○○ですけど・・」
「あ、ども。」
「あのー鉄腕ダッシュの番組内で古道具を紹介するコーナーがありまして、可能でしたら
御社の店舗で撮影を出来たらと思いまして・・・」
「あ、まだ決まってなかったんですか。」
「あ、え、ははい。」
「ウチでいいんですか?」
「ホームページなどを見せていただいて、私共が探している条件に合うと思いまして、
よろしければ今日でもお伺いして、店舗のほうを見学させていただけないでしょうか?」
「あ、いいですよ。ちなみにそのコーナーはどんな趣旨のものなんですか?」
「今の若い人たちが知らない古道具をクイズ形式で紹介するものでして、出題者には
荒俣宏さんに・・・」
「えっ、だっ誰って言いました?」
「あっ、出題者には荒俣宏さんに・・・」
「えっ、えーと荒俣宏さんですか。」
「あ、はい。荒俣さんです。」
「ってことはウチに荒俣先生が来るってことですか?も、もちろんウチとそちらの条件
が合えば・・・」
「そうですね。」

その後の会話で僕は放心していることが相手にバレないように必死だった。

このブログももう、かれこれ1年以上続いているわけだが、ブログなどが嫌いだった僕が
なんとか綴った記念すべき第1号のブログは2010年7月9日のブログで題は
「エキセントリック」であった。
先ず初めに荒俣宏著、「エキセントリック 奇人は世界を征す」の長い引用文が記載されている。

 「エキセントリックであるということは、奇行に走ることを意味しない。
  ましてや、自己を顕示することではない。
  エキセントリックとは、中心から外にいること、を本義とする
  周辺にいて、中心の権威に属さない位置。
  その位置を保ちながら、しかも中心を脅かす。」

それは、僕がこの時代に、この日本で、この町で、この古道具商という仕事で
または自分自身として構えようとするスタンスであり、そして変わらぬ僕の気質として、
荒俣氏のエキセントリックの本義を引用させていただいたのだ。

その荒俣氏が当店にやってくる。

アイドルだって、スポーツ選手だって僕は1ミリもたじろがないが、あの男にはたじろぐ。

たじろぎまくる。

9月18日、氏はやってきました。
午前中から撮影隊は機材のセッティングや映える場面を探したり、ものものしく動いていて、
僕は店の商品の手入れをするフリなどをして、渋滞で遅れ気味の荒俣氏の到着を待ち構えていました。

そして、とうとう「知の巨人」荒俣先生は白いメルセデス・ベンツで到着されました。
車を駐車された先生は、小走りに撮影隊に近づいてきて、「いやー。すいません。
すいません。渋滞にハマってしまって。」と決して上からではなく、むしろ下から
素直に謝罪をし、登場しました。

横目で僕はその姿を観ていて、先ず、先生の着ていらっしゃるTシャツに感銘を受けました。
そこには筆の書体で「昔から、決まっとる。」と大きくプリントされていたのでした。

「昔から、決まっとる。」、その通りでございます。と僕は心の中で3回お辞儀をしました。

それからというもの気が気ではありませんでした。
手入れするフリすらもできず、ただただ阿呆のようにウロウロする僕。
暑い倉庫での撮影は2時間近くかかって終了。
話かけることも、氏の半径3メートル付近に近寄ることもできずに
「お疲れさまでした―」の撮影隊の声に肩を落とし、僕は店に戻りました。

カフェでシェイクを作っていたJさんがあまりの残念オーラを出している僕に言った。
「あれ、どうしたの?」
「Jさん、オレ、話す事もできなかった。もう先生、車乗っちゃったよ。」
「えっ、な、なんで、オレちょっと行ってくる。」
そう言うとJさんは颯爽と店を出て行って、今、まさにエンジンをかけ、発進しようとする
荒俣氏が乗っているメルセデス・ベンツを体で遮り、なんとカフェまで連れてきたのだ。
氏は失神寸前の僕の手を取ってくださり、僕はとうとう氏と言葉を交わす事ができた。
ファンタスティックJ。

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アイドルだって、スポーツ選手だって僕は1ミリもたじろがないが、荒俣宏にはたじろぐのだ。
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by interestingman | 2011-09-19 22:00



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